特色ある診療体制

活動報告

チーム員日記は認知症初期集中支援チーム員の体験に基づいた創作(フィクション)です。
毎月1日に、全13回シリーズでお送りする第8回です。
第7回の記事はこちらから

 

万次郎さんの家は、きれいに片付いていました。万次郎さんは、食事や入浴もしており、日常生活で困ることはありません。妻が亡くなり、来客といえば自分の生活を心配してくる近所の人か民生委員ぐらいでした。

チーム員が、3回訪問した時点で、カレンダーを見て「1週間前に来た?」と驚いていました。万次郎さんは記憶が曖昧で、チーム員が訪問したのは、1ヶ月位前のように記憶していました。しかし、驚いたことに、チーム員の名前はしっかり覚えていました。万次郎さんは、チーム員に失礼がないように、何度も何度も復唱し名前を一所懸命覚えたようでした。

今まで、寒くても、お腹が空いていても我慢していた万次郎さんでしたが、チーム員が訪問するようになり、客人をもてなす気持ちが出てきました。

初めて訪問した時は、寒くて震えながら話をしましたが、チーム員が来る日は、ストーブを用意していました。温かいお茶ときれいなお皿に3種類のお菓子を丁寧に並べて出してくれました。万次郎さんのおもてなしは、とても嬉しかったのですが、出してくれた煎餅は古くて味が変わっていました。

万次郎さんは、老化に伴う視力低下と認知症による記憶力や判断力が低下し、普通なら客人に出さないお菓子を出しました。日付が分からないので、賞味期限を気にすることもありませんでした。客人をもてなす気持ちはありましたが、上手にもてなすことは難しくなっていました。

 

万次郎さんは、物忘れをしていましたが、他人の事を思いやることが出来ました。チーム員は、万次郎さんがデイサービスに行くことで、万次郎さんらしく生活できると考えました。

 

次回は、介護保険申請のために必要な病院受診に向けて介入したことをお伝えします。

 

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