部門紹介
「心理療法室」について
こころの悩みや生きづらさを抱えた患者様やご家族の気持ちが、少しでも楽になり、日々が過ごしやすくなるように、心理学的な理解と方法に基づいた支援を行っています。心理的支援には様々な理論的背景がありますが、それも大切にしつつ、当院の心理療法室では、何よりも、それぞれの患者様やご家族が持っている資質や個性を尊重した柔軟な支援ができるように努めています。
心理療法室では常勤6名の心理療法士が在籍しています。
心理療法内容
心理面接（カウンセリング）
こころの問題の解決に向けて、患者様やご家族の気持ちに寄り添い、協力しながら進めていきます。こころの問題というのは、他の人からすると一見理解しづらいものであっても、ご本人の気持ちにしっかり寄り添って、よくよく想像してみると、非常に苦しいものであったりします。支援を受けること自体を恥ずかしく感じたり、ためらいを覚えたりする方も、中にはいらっしゃいますが、こころの問題の解決に心理面接を役立てていただくのも、1つの方法です。
思春期支援
入院した思春期の患者様に対して、多職種と連携しながら退院まで支援します。必要な場合には退院後も、心理面接を実施して支援を継続します。
心理面接の日時
曜日：月曜日～土曜日（祝日除く）
時間：9:00 ～ 15:00 完全予約制
当院での心理面接を希望される方は、医師の診察が必要です。まずは医師にご相談ください。成人の患者様だけではなく、当院では思春期など未成年の患者様の心理面接も受け付けています。
心理検査
心理検査には人格検査や知能検査、認知機能検査などがあり、当院では発達障害の鑑別および支援を目的とした心理検査も行っています。
通常は、複数の心理検査を通して患者様の心理状態を多面的に理解していきます。心理検査の結果は、その後の治療や支援の方針に役立てていきます。こころの問題を解決していくために患者様自身が、自己理解を深める資料にもなります。
集団療法
アルコールミーティング
アルコール関連障害から回復するために、ビデオ学習や講義、グループによる話し合いを通して、アルコール関連障害に関する様々な知識や考え方を学びます。入院患者様と外来患者様の両方を対象にしているプログラムです。地域の自助グループから講師をお招きすることもあります。アルコール関連障害に至る前の段階の患者様を対象とした減酒プログラム（アルドック）や、アルコール関連障害の患者様のご家族を対象とした支援プログラムもあります。
音楽グループ
患者様にとって馴染みのある歌を、時にはタンバリンや鈴などを使いながら、皆で楽しむ入院患者様を対象にしたプログラムです。患者様の表情が豊かになる、自己評価が上がる、患者様同士の交流が促される、などを目指して行っています。音楽が自己表現の1つになればと思っています。
回想法
周囲が高齢者の人生史に敬意を払って耳を傾けることは、高齢者が自分の人生に誇りを持ち、自分自身を肯定的に受け容れることに繋がります。特に認知症の患者様にとって、子ども時代の遊びや食べ物といった、昔の馴染みのあるテーマを皆で回想することは、創造的で活き活きとした時間となります。入院患者様を対象としたプログラムです。
病棟ミーティング
入院患者様を対象としたプログラムです。日頃の入院生活で困っていることや疑問に思っていることをテーマにして話し合います。入院生活が長くなると、患者様はとかく受身的になりがちです。こうした話し合いを通して、主体的に生活する意欲を持っていただくことを目指しています。
うつのグループセミナー
認知行動療法に基づいた、抑うつの軽減を目標としたグループです。外来患者様を対象にしています。比較的少人数で行われるため、丁寧にやりとりをすることができます（現在休止中）。
CRT
患者様の生きづらさの背景に認知機能の問題が影響していることがあります。CRTは、パソコンを用いたゲームや、注意、記憶など特定の認知機能をテーマにしたグループでの話し合いを通して、患者様が生きやすくなるように、認知機能について学び、認知機能の改善を促していくことを目的とした外来患者様対象のプログラムです。
PDDプログラム
自閉スペクトラム症の外来患者様を対象としたプログラムです。講義や様々なワークを通して、自閉スペクトラム症の特性や、コミュニケーションや感情コントロールなどについて学びます（現在休止中）。
家族教室
ご家族を対象にしたプログラムです。統合失調症という疾患についての知識を提供したり、より良い対応についての学習を行ったりします。患者様を含めて『家族』が元気になることを目指したプログラムです。