特色ある診療体制
災害医療
近年では、毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害をもたらしています。三原市も平成30年7月豪雨を経験しました。非常時は精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレスにより新たな精神的不調が生じやすくなります。当拠点活動では、DPATをはじめ、当院における防災活動にも取り組んでいます。
三原病院での取り組み -災害派遣精神医療チーム(DPAT)-
災害派遣精神医療チーム:DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)
当院は、広島DPAT派遣終結医療機関です。DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)とは、自然災害をはじめ航空機や列車事故、犯罪事件などの集団災害の後に被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援をおこなう専門的なチームです。具体的には、精神科医師、看護師などのチーム単位で、被災地域に設置されるDPAT本部に集まり、関係機関と連携しながら活動します。被災地域の精神保健医療におけるニーズを速やかに把握し、被災地にて精神科医療を提供します。実際に、平成30年7月豪雨時には当院からも出動しました。
DPATは下図のような構造で整備されており、当院は先遣隊が被災地支援に入った後に、必要に応じて活動する班としての活動を想定して、研修や訓練に取り組んでいます。
発災後48時間以内に活動開始
単一医療機関で組織される
- 主な機能
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- 本部機能の立ち上げ
- ニーズアセスメント
- 急性期の精神科医療ニーズへの対応
必要に応じて数週間から数ヶ月活動
複数機関の合同組織でも可
- 主な機能
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- 本部機能の継続
- 被災地での精神科医療の提供
- 精神保健活動への専門的支援
- 被災した医療機関への専門的支援
- 支援者への専門的支援
体験談|平成30年7月豪雨
看護師として三原市内の被災地支援を経験しました。出動前日には「出動の可能性がある」と通達があり、事前の情報収集に努めました。当日の移動中に車から見える景色は、浸水後の民家、荒れ果てた工場、陥没した歩道、氾濫後の川などが目に飛び込み、現地に着く前から災害の恐ろしさに圧倒されたことを今でも覚えています。到着すると、他県ナンバーの車や自衛隊の特殊な車が数多く停車していました。非日常的な風景に再び驚きを隠せませんでしたが、平静を保つことに努めました。
DPAT出動時に使用する装備の一部
実際の活動としては、活動本部より申し送りがあり、こころのケアが必要だと思われる方数名の相談をお聞きしました。被害状況や精神的不調の内容を教えていただき、必要な方には医師より薬の処方をおこないました。被災直後は眠れなくなる方も多く、眠れない時の対応方法などもご助言しました。
私たちが活動したのは1日だけでしたが、被災された方の心理状態はその後も変化していくことを思うと、心配でたまりませんでした。非常時に活動するDPATメンバーに求められる能力は多岐にわたることを身をもって感じ、平成30年7月豪雨を経験後は、より一層、専門知識の習得、実践力、連携力の強化に取り組んでいます。
当院の防災活動
活動スタッフによるミーティングを月1回実施しています。院内研修の開催、入院患者様および職員の備蓄食・水の充実に向けた働きかけ、避難訓練などに取り組んでいます。
院内研修の様子
備蓄食