特色ある診療体制

活動報告

チーム員日記は認知症初期集中支援チーム員の体験に基づいた創作(フィクション)です。
毎月1日に、全13回シリーズでお送りした最終回です。
第12回の記事はこちらから

 

万次郎さんは、介護される側にならないように頑張っていました。真面目な性格で、妻を介護し、介護する側の気持ちも分かっていました。息子に迷惑をかけたくない。息子に『親父は介護が必要になった』と思われたくありませんでした。

その為、地域包括支援センターが介護保険の申請の説明をしたときは「必要ありません」と、答えるのみで、全く話を聞こうとしませんでした。

その中で、何となく自分も年をとり、認知症を患っている自覚もありました。近所の人や息子に悟られないようにしているのに、自分の病気を指摘し病院を勧められることに、拒否感が強かったと思われます。

万次郎さんは、他人であるチーム員には素直に思いを話すことが出来ました。また、チーム員は、『認知症』と、はっきり言わず、『年を取ったら皆物忘れします。万次郎さんは大丈夫?』と、一般的な人の話をして、万次郎さんに伝え、万次郎さんの返答によって、話題を変えるか深めるかを判断します。何度も繰り返すうちに、『チーム員と一緒に病院に行く』と、思えるようになったのだと思います。

デイサービスの利用が始まると、その後はデイサービス職員の担当です。人間関係を考えて席を決め、活動内容やその人の役割を考えます。

チーム員は、サービスの利用が継続するまでケアマネと相談しながら関わります。

万次郎さんは、1回のデイサービス体験で継続できることが分かり、ケアマネに引き継ぐことになりました。ケアマネは、自宅での状況を把握し、離れて暮らす家族やサービス提供者との連携を行います。万次郎さんは、万次郎さんを理解してくれる支援者に見守られながら、1週間に3回デイサービスに行くことになりました。

万次郎さんは、楽しみにしていた旅行に行くかの様に、生き生きとした表情でデイサービスに通っています。

 

万次郎さんのチーム員日記を読んで下さり、ありがとうございました。ちょっとした声掛けを工夫することで、認知症を介護する方もされる方も嫌な思いをしなくて済む事があります。どんな声掛けをしたら良いのか悩んだとき、専門家に相談してみると何かヒントがもらえるかもしれません。

 

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