特色ある診療体制

活動報告

「児童思春期支援オンライン研修会」のご報告(2024年2月16日)

日頃は三原病院のホームページをご利用いただき、誠にありがとうございます。

当院で開催しました「児童思春期支援オンライン研修会」の内容をご報告いたします。

皆さまのご参考になりましたら幸いです。

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2024年2月16日(金)に当院の児童思春期グループ主催で、児童思春期支援オンライン研修会を開催いたしました。
講師を県立広島大学の松髙由佳先生にお願いし、『性の多様性に関する理解と支援』というテーマでご講演いただきました。
 
 講演の中で松髙先生は、セクシャルマイノリティに関連する様々な用語について丁寧に説明してくださった後に、たくさんの用語があるのは、セクシャルマイノリティの人達のアイデンティティに関わるものだからと話しておられました。私は、男性と女性という2つのカテゴリーや、異性愛を前提に構築された社会の中で、セクシャルマイノリティの人達が、自分は何者なのだろう、自分は自分だ、自分らしさとは、自分はここにいる、といった問いに取り組んでこられた歴史に思いをはせました。

 支援についての話題では、相談者の性自認や性的指向が明らかになっている場合ばかりではなく、支援者は、それを無理に明らかにしては良くないということが語られました。相談者の性自認や性的指向が定まっていない場合もあれば、後に変化する場合もあります。アイデンティティの模索には時間が必要ですし、支援者に打ち明けるにも勇気がいるでしょう。支援者には、あいまいさを抱えておける能力が必要です。また、松髙先生も仰っていましたが、性というものは、アイデンティティを構成する大切な要素ですが、それがすべてというわけでもありません。私は、支援者が、相談者の性というものにだけ拘泥することで、かえって相談者を理解できなくなる、様々な側面を有しているはずの相談者に対する理解が狭くなってしまう場合もあるかもしれないと想像しました。
 
 質疑応答では、松髙先生が常に個々の相談者の思いを大切にして、相談者と対話を重ねながら対応を見出していくという一貫した支援者としての姿勢をもとに回答しておられたのが印象的でした。
 
 今回の研修では、例えば、相談者が恋愛について語った際に、支援者が自動的に異性愛を前提にして会話していないかなど、私たちが無意識に有している決めつけについて考えさせられました。私自身の自他への認識、社会への認識をほぐしてくださる貴重な機会となりました。

 最後になりましたが、今回、ご講演を快くお引き受けくださった松髙先生に深く感謝いたします。
 

[文責]  心理療法室 竹田博樹(児童思春期グループ担当)

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