特色ある診療体制

活動報告

「児童思春期支援オンライン研修会」のご報告(2023年7月21日)

日頃は三原病院のホームページをご利用いただき、誠にありがとうございます。

当院で開催しました「児童思春期支援オンライン研修会」の内容をご報告いたします。皆さまのご参考になりましたら幸いです。

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 2023年7月21日(金)19:00-21:00に地域拠点活動の一環として研修会を開催しました。県立広島大学 保健福祉学部人間福祉学コース 教授で、精神保健福祉士・社会福祉士である松宮透髙 先生を講師にお招きし『メンタルヘルス問題のある親による子ども養育世帯への支援 -こころと暮らしの専門職ができること・しなくてはならないこと- 』というテーマでご講演いただきました。

 松宮先生の講演を拝聴していて私の心に浮かんだのは、私が心理職として駆け出しだった頃に勤務していた精神科病院の精神保健福祉士さんのことでした。その方は、熱い人でした。長年、福祉に携わってきた年配の女性でしたが、その方が、当事者や家族のために、周りのスタッフに一所懸命に思いを伝えていた場面を覚えています。人の心に響くのは、本物の思いです。

 講演内容についてですが、要支援世帯への積極的なサポート体制整備は、地域住民(次世代を含む)と支援機関全体の課題であることが話されました。耳が痛かったのは、精神科医療と他領域の支援者との要支援世帯に対する認識の不一致の話でした。精神科医療に従事する私たちの方が、要支援世帯の日々の暮らしのリアルに疎いようです。メンタルヘルス問題のある親の背後には、精神科医療の場面に登場しなくてもマルトリートメント(不適切な養育)に晒されている可能性のある子ども達が存在することへの認識が必要です。
第三者からの親への糾弾は、要支援世帯の社会的孤立を深め、追い詰めてしまう結果を生みます。親も子どもも苦労を抱えていて、抜き差しならない状況にあると認識するべきでしょう。精神科医療に従事する支援者は、他領域の支援者達と、それぞれ異なる専門性を活かしあい、どのように要支援世帯の支援に貢献できるでしょうか。要支援世帯の子ども達や家族、地域住民、各領域の支援者達が連携を実質化しながら、要支援世帯をどのように応援できるでしょうか。要保護児童対策地域協議会の活用など、講演を通して松宮先生からは、いくつもヒントをいただきましたが、安易に答えは出さずに、継続して考えたいと思います。私にとっては、これからの精神科医療の使命について、考えさせられる研修会でした。


 最後になりましたが、金曜の夜にも関わらず、院内、院外を合わせて60名近くの方々が参加してくださいました。児童思春期の子ども達や家族を支援する皆様方の本気を感じることができて、私自身が支えられた気持ちがしました。ありがとうございました。

[文責]  心理療法室 竹田博樹(児童思春期グループ担当)

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