特色ある診療体制

活動報告

毎月認知症カフェに来られている夫婦の家に、コロナ感染拡大防止のために2月の認知症カフェが開催できないことを電話で伝えました。「そうなの…。仕方ないね…」と、寂しそうな声が返ってきました。毎月、楽しみに来られていた方なので、最近の様子をお尋ねしました。

「夫は、変わりないです。二人とも元気ですよ。でもね…」話を聞いていくと、離れて暮らす子供から、「そんなにしんどいなら、施設に入れたらいい」と言われたことがショックだったようです。認知症である夫と暮らしている妻は、子供に『認知症である夫』と『介護している自分』の現状を分かってほしいだけでした。「施設に入れたらいい」と言われたことで、子供が自分たち夫婦と関わりたくないと感じてしまいました。子供に愚痴を言うことで孤独感が増したようでした。

この方の場合は、現状を知ってほしいだけでしたが、限界まで介護して悩んでいる方には「施設を考える時期が来たんじゃない?」と、背中を押す声掛けをしたほうが良い場合もあります。主介護者一人で施設入所を決断するのは、罪悪感にかられます。その後もその思いを引きずりながら生活していく人も少なくありません。

認知症が進行すると、自分の思っていることを言語化することが難しくなります。『認知症という病』と『その方の人間性』を理解した介護者の存在が、認知症の方の生活の質は安定します。良き理解者がいることが、認知症の方にとってしあわせと言えます。

老々介護が増えた今、認知症の方を支える介護者も孤独と闘いながら介護をしています。その介護者の思いを察しながら話をすることで、分かってくれる人がいると思い、介護者は頑張ることが出来ます。主介護者を支える副介護者の大切さを感じています。

認知症カフェは、同じ立場の方が来られます。自分の思いを本音で話すことが出来る場所です。介護者にとって、とても大切な場所が2か月も中止になってしまいました。来月の認知症カフェで、皆で話が出来ることを楽しみにしています。

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