特色ある診療体制

活動報告

はるさんの物忘れは思ったより進行していました。認知症初期集中支援チーム(以下、チーム員)が朝方訪問し昼にも訪問した際、朝の話をしても全く覚えていませんでした。若い頃から患っている高血圧の薬を飲むという習慣はありましたが、糖尿病を患っているという認識はありませんでした。チーム員は、まずは家の中に入れてもらう事を目標に訪問を繰り返しました。はるさんは警戒しており、玄関先で「大丈夫です。私は何とか生活は出来ています。火曜日と木曜日はゲートボールに行っていますから…。その帰りに買い物をして帰るんですよ。一人でしょ!作るより買う方が安くつくのでお弁当を買うんです」と明るく教えてくれました。はるさんは“大丈夫”を強調して支援者を遠ざけていました。チーム員は、はるさんを心配して「病院に行っているんですか?」と尋ねます。はるさんは「はい。行っています。若い時から血圧が高かったので薬を飲んでいるんです」と、答えます。病院名を聞かれてもすぐに答える事も出来ました。この様にはっきりと答える事が出来ると、本当に薬の飲み忘れはない様な気がしてきます。チーム員は「はるさん位の年齢の方は血圧の薬を飲んでいらっしゃる方がたくさんおられます。血圧の薬は飲んだり飲まなかったりすると大変なことになりますが、はるさんは大丈夫ですか?」と聞きました。はるさんは少し戸惑いはじめました。チーム員は「どんな薬を飲んでいるのか知りたいので、見せてもらってもいいですか?」と少しずつ歩み寄ることで、はるさんは家に入れてくれるようになりました。

はるさんの家は綺麗に片付いていました。薬の数を確認して「お薬を忘れることがあるようですね。はるさんだけではないですよ。忘れる方はたくさんいらっしゃいます」チーム員は、薬を飲み忘れるのは、はるさんだけではないことを強調して話しました。

仏壇には綺麗な菊の花が供えてありました。仏壇を見ただけで亡き夫を大切に思い、供養をしていることが分かりました。夫が病気になるまでは、二人で仲良く生活されていたことが垣間見えました。それらを悟り、チーム員は仏壇に手を合わせました。はるさんは「親切な人が私の事を心配して来て下さったよ。お父さんありがとう」と報告をしていました。

チーム員はお話をしながら、はるさんの物忘れの程度を把握します。

どの程度生活できているかは、家の中の生活空間を見なければ分かりません。

家に入る事ではるさんの生活状況が分かってきました。

次回ははるさんの思いについてお伝えします。

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