特色ある診療体制

活動報告

「第1回児童思春期支援オンライン研修会」のご報告(2022年7月9日)

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当院で開催しました「児童思春期支援オンライン研修会」の内容をご報告いたします。皆さまのご参考になりましたら幸いです。

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2022年7月9日(土)14:00-16:30に臨床心理士・公認心理師の内海 新祐 先生(社会福祉法人 旭児童ホーム)をお招きして児童思春期支援オンライン研修会を開催いたしました。院内・院外をあわせて約30名(院外参加者24名)の皆様に参加していただけました。院外の参加者の内訳では、スクールカウンセラーの方が最も多く、保健師や、放課後等デイサービス所属の方もおられました。

 テーマは『 「児童虐待」とどう関わっていくか考える』であり、①「児童虐待」の現状と、②学校や医療機関との連携について貴重なお話をおうかがいすることができました。

 「児童虐待」は、「虐待」という言葉で認識することが必要な場合もありますが、基本的には「子育ての失調」と捉えられ、条件次第では誰もが陥り得るものというお話がありました。こうした内海先生のお考えもあり、表記では「児童虐待」と常に「 」(括弧)が用いられていました。「児童虐待」に限りませんが、対象者・対象家族にラベルを貼ることで、支援者が思考停止を起こしてしまう、自分と切り離して考えてしまい、相手の立場から物事を認識しようとしなくなることは、支援者としての機能不全を生じさせるので、気をつける必要があると感じました。

 「虐待」を受けた子ども達に、現象としてどのような問題が表れやすいのか、関係者が困ってしまう子ども達の言動の根っこには、どのような背景があるのかについても具体的にお話がありました。また「児童虐待」の支援は、ほとんどが在宅支援ですが、在宅ケースだからといって、入所ケースより、必ずしも軽いとは言えず、むしろ深刻と思える場合もあるというお話もありました。

 支援という意味では、学校など家庭以外の居場所が、子ども達の心の支えになりえます。また子ども達に複数の居場所があることは、家族や関係者にとっても、子どもと距離が取れて、こころの余裕を取り戻す機会にもなります。「児童虐待」への支援は、一個人、一機関、一技法でなしうるものではないため、それぞれの相談機関が、連携しながらそれぞれの役割を果たしていくことの大切さが語られました。

 今回のオンライン研修会は、地域連携推進も目的としていたため、参加者との双方向のやりとりを可能にするため、質疑応答の時間を長めに確保しました。さらには、対面の研修会では休憩時間や研修会終了後に参加者同士が、自然発生的に挨拶をしたり情報交換したりすることが見られるので、今回はオンラインではありますが、研修会終了後もしばらく余韻のようにZoomを繋いでおいて、短時間ですがそのような時間を設けました。残ってくださった半数ほどの参加者で和やかに会話ができて、地域連携推進、支援者同士の顔の見える関係づくりに多少なりとも役立ったのではないかと思います。

 最後に講師の内海先生についてですが、参加者の質問にしっかり耳を傾け、思考を巡らせながら、かつ自分の内面にも偽りなく、誠実に応じている姿が印象的でした。普段の内海先生が、子ども達や家族に対応している際の姿勢が想像できて、見習いたいと思いました。

[文責]  心理療法室 竹田博樹(児童思春期グループ担当)

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