特色ある診療体制
活動報告
5年前よりはるさんは一人暮らしとなりました。
愛する夫は5年前に脳梗塞で倒れ、施設に入所後数年で他界しました。同じ市内に住む子供たちがはるさんの事を気にかけていました。
はるさんは明るく優しい性格で、周りの人から慕われていました。定年まで永年会社に勤め、仕事を辞めても職場仲間とゲートボールや食事をし、充実した生活を送っていました。
そんなはるさんですが、約束したことを忘れたり郵便物の整理が出来なくなり、持病である糖尿病と高血圧の薬を飲み忘れることが増えてきました。娘ははるさんの認知症の進行を心配し、介護保険の申請をしました。要介護1の認定となり、ケアマネジャーに相談しデイサービス利用を開始しました。はるさんは、楽しそうにデイサービスで1日を過ごしましたが、家に帰ると「もう2度とあんなところには行かないわ。勝手に予約して…」と怒りはじめました。その後はるさんは、デイサービスに行く事はありませんでした。デイサービスでのはるさんは、皆に合わせ“楽しい”を演じていました。はるさんは自分でも『物忘れをしている』『年をとっただけではない違和感』を感じながらも、周りの人に気づかれない様に、一所懸命努力をしていました。物忘れをしていないフリをして皆に合わせ、惨めな気持ちになりました。その後、はるさんは出掛けることが少しずつ減っていき、家で過ごすことが多くなっていきました。
はるさんは「他人のお世話になりたくない」「お世話されなくても大丈夫」と思っていました。
周囲の人に物忘れがばれないように取り繕いながらも生活する事が出来ていました。
次回は認知症が進行し、生活をするのが難しくなってきたはるさんを紹介します。