活動報告
2024年7月26日(金)19:00-21:00に地域拠点活動の一環として研修会を開催しました。
広島修道大学名誉教授で、臨床心理士である財満義輝 先生を講師にお招きし『思春期のこころ模様 -自己肯定感を育む- 』というテーマでご講演いただきました。
私も財満先生と同じ臨床心理士ですが、自己肯定感という言葉は、臨床心理士である私にとっては、馴染みのある言葉であり、それ故に目新しさには欠ける言葉でもあります。しかしながら、その自己肯定感について、財満先生が正面から論じられたことに、非常に意義深さを感じました。なぜなら財満先生は、本当に長年にわたり思春期の子ども達や、その家族の支援に携わってこられた先生であり、その財満先生が、長いご経験を通して、やはり思春期の子ども達にとって自己肯定感を育むことが大切なのだと述べられたことに、言葉の重みを感じたからです。また、以前から財満先生のことは存じ上げておりますが、財満先生の大らかで穏やかな雰囲気、語り方、他者への接し方などが、思春期の子ども達の自己肯定感を育むことが大切という財満先生のメッセージと一致しており、私にとって、ご講演の内容が非常に腑に落ちるものになったからでもあります。やはり大切なものは、大切なのだという感覚です。
ご講演内容は、思春期という時期にある子ども達の身体、心、心の問題、関係(親子や仲間)、社会、時代など幅広く、すべてをご紹介することはできませんが、私が、特に印象に残ったのは、心の問題に関係する所で『援助の求め方は、言葉だけではない!態度、行動、しぐさなど多くのサインを出している!』という点と、財満先生が、ご講演の最後にご紹介された財満先生が好きな言葉『これを知る者は これを好む者に如かず これを好む者は これを楽しむ者に如かず(孔子の言葉)』と、同じスライドに記載があった、『私たちの活動は、子ども達と共に楽しむこと!! ※久しぶりだね。元気にしていた? よかった! 今日は会えて嬉しいよ。今日は楽しもうね』という所です。
思春期の子ども達を理解するには、社会や時代といった大きな観点も大切ですが、そのような観点も活かしつつ、心理的な問題によって表現されるメッセージも含めて、思春期の子ども達の言葉では表現できないメッセージを細やかに受け取ろうと努めることも大切です。また支援者である私たちが出会うのは、心の問題ではなく、心の問題を抱えた思春期の子ども達です。つまりは人と人の出会いであり、関わりあいです。心の問題だけに注意を奪われて、思春期の子ども達の存在を蔑ろにしないようにしたいと思います。そして思春期の子ども達との出会いと関係を自然に喜び、楽しめるのが、自己肯定感を育むという点においても、根本的で素直な関係のあり方のようにも感じます。
最後になりましたが、財満先生、貴重なご講演を誠にありがとうございました。また、今回も院内、院外を合わせて多くの皆様に参加していただきました。心からお礼を申し上げます。