特定医療法人 大慈会 三原病院

文字サイズ
0848-63-8877 (受付時間:8:30~17:00)
〒723-0003 FAX:0848-62-0055

こころと脳の病気

認知症とは

こころと脳の病気

どうも親の様子がおかしい。ふっと、昔と今の区別が付かなくなったり、今したことを忘れてしまったり・・。年と共に「ぼけ」てきたのでしょうか・・・

 


もしかすると認知症でしょうか?

人間、誰でも歳をとれば物忘れも多くなります。これは年齢とともに、脳の組織の活動が低下したり、脳の中の血の流れが悪くなるなどの原因で、徐々に脳の機能が低下してくるためです。ただし、認知症といわれるのは、脳の機能が通常のレベルを超えて大きく低下した状態をさします。

認知症は脳の病気です。MRIやCTといった撮影装置で脳の断面を撮影すると、脳が小さくなっている事や、脳の血管が詰まっている様子がわかることがあります。

残念なことに、現在の医学では病状が進んでしまった認知症を治すことはできません。「私の物を盗られた」、食事の直後に「食事をしていない」と言う、などの妄想といわれるこころの症状はある程度治療できますが、一度収縮してしまった脳の機能を回復することは、現在の医療では困難です。進行した認知症についてはお薬と色々な治療を行いますが、うまくいっても認知症の進行を食い止めやや戻すことができる、というのが限界です。

ただし、認知症の初期で脳の機能があまり失われていないうちであれば、薬と治療により回復の可能性があります。早期発見と早期の治療ができれば、治る可能性が高くなるのです。

しかし現実に認知症の患者さんが病院に来られるのは、夜間徘徊したり、家族が24時間目を離せない状態になるなど進行が進んでしまって、疲れきった家族が連れてこられることが、まだまだ多いようです。「もう家で見れないので、入院させてください」と、医師に泣きつかれることもよくあります。

このような状態になると、家族が介護しやすい状況にまで症状を落ち着けることはできても、元の元気な状態に戻る可能性は非常に低い、といわざるを得ません。

繰り返します。認知症の場合も、早期のご相談が、治療のもっとも早道です。

 


認知症ではないかもしれません

 

物忘れがひどい、異常な言動がある、老人だから認知症に違いない、そう家族が信じて病院につれてこられる場合があります。医師が診察すると、実は他の病気(うつ病、統合失調症、脳腫瘍、ホルモン分泌異常等々)であることもあります。特に、認知症の初期のような症状の場合は、このようなことが多いようです。

これらの病気であれば、薬や外科治療などで治る可能性が高いため、早期の診察によって良くなる可能性がより高くなります。
逆に、単なるぼけだろう、と専門治療を行わなければ、病気の進行とともに脳の機能が失われ、結果として認知症になってしまう、という悲劇も多いのです。ですから、何度も言うように認知症の治療は早く始めることが、より大切なのです。


認知症は病気です

病気ですから、治療によって改善するところもあります。認知症そのものは治らなくても、家で家族と落ち着いた生活に戻ることが可能なこともあります。

しかし、残念ながら本人にはまず、その自覚はありません。脳の異常ですから、本人は全て正常な行動をしている、としか感じられません。逆に、家族が「おかしいよ」といえば、本人は家族の方が異常だ、と感じることでしょう。この事も、認知症の初期の治療を難しくする、大きな原因になっています。

認知症に対する治療は、精神科の病院で現在最も積極的に行われています。認知症の場合は、出来れば施設の整った、病院にかかるのが一番です。地域によっては「認知症外来」として専門に開かれている病院もあります。

しかし、高齢者ほど精神科の受診には抵抗があるようです。ご本人が強くいやがられているときは、まずは病院にご相談されれば、ご家族もご安心いただけると思います。また、どこの病院にかかればよいかは、地域の保健所などにご相談されるのも一つです。

→精神科にかかるとき

 


一番大切なのは家族との信頼

歳をとれば、自分の体力や精神力が落ちることは当然です。しかしこれまで頑張ってきた人ほど、自分の能力の低下により自信を失うのと同時に、そのプライドが傷つきます。そして、家族や周りの人たちから「見捨てられるのではないか」という不安がつきまとうのは、当然のことです。さらに死が近づいている、という思いが、その不安感を増しているのです。

治療や介護を行うことは大切ですが、老人本人にとって「家族から見放されてただ生きている」という思いを持って生きることは、何よりもつらいことでしょう。本人の気持ちを考え、だましたり無理強いせず、家族との信頼をもって生きられること。これが一番大切なことではないでしょうか。
→対応の心がけについて

私たち病院の言葉では、QOL(Quality of Life=生活の質)といい、ただ体が健康なだけでなく気持ちも健やかであることが重要だと考えています。信頼と幸せはその中でもっとも大切なものです。

人は皆年老いて死んでゆきます。私たちが親の世代にしてあげられること、それはいつか私たち自身が老いたときに、してもらいたいことでありたい、そう思います。

ページの上部へ